
「楽しかった」「おかしくてたまらない」「最高におもしろい!」など、楽しい気持ちにもいろいろありますね。今回は「ラジオビジネス英語」12月号の「Lisa's Expressions」から、「楽しい」気持ちを伝える表現をご紹介します。ニュアンスに応じて使い分けて、そのときの楽しさをうまく伝えられるといいですね。
にぎやかな楽しさを伝えたいとき
I had a ball.(とても楽しかったよ)
ballには「ダンスパーティー」「楽しいひととき」の意味もあります。have a ballは、「(何かをして)楽しむ」ということ。騒いだり笑ったりする楽しさのイメージです。
A: Did you like the birthday party?
(誕生パーティーは楽しかった?)
B: We had a ball playing charades.
(ジェスチャーゲームをして、とっても楽しかった)
盛り上がった気分を伝えたいとき
What a blast! (なんて楽しいんだ!)
blastは名詞としては「突風」「爆発」などのほか、「楽しいパーティー」も意味する言葉で、What a blast!は「盛り上がって最高!」という感じです。楽しかったことを振り返っているときにも、楽しい最中にも使えるひと言。I had a blast.といった言い方もします。
I’m riding through the woods with my new mountain bike. What a blast!
(新しいマウンテンバイクで森を走り抜けているんだ。超楽しい!)
そのひとときを心から楽しんでいると伝えたいとき
I savored every moment.(一瞬一瞬を楽しみました)
savor the momentは、「その瞬間をじっくり楽しむ[満喫する]」という意味。相手に「楽しかった」とお礼を言うときも、こうした表現を使うと、心に残る楽しいひとときだったということが伝わります。
Thank you for inviting me to the concert. I savored every moment of the performance and the time spent with you.
(コンサートに招待してくれて、ありがとう。演奏もあなたと過ごした時間も、その一瞬一瞬を楽しみました)
笑いのつぼにはまったとき
That’s hysterical! (笑いが止まらない!)
hystericalには「ヒステリックな、感情的になった」のほかに、「ものすごくおかしい」という意味もあります。笑いのつぼにはまって、息をするのも苦しいくらいおかしい、といった感じです。なお、hystericには「おかしい」の意味はないので、注意してください。
A: How is that new comedian?
(あの新しいコメディアンってどう?)
B: She is hysterical.
(彼女、むちゃくちゃおもしろいよ)
笑いが止まらないほどおかしいとき
I was in stitches.(私は大笑いしました)
in stitchesは「おなかが痛くなるほど笑って、おかしくてたまらなくて」という意味。シェイクスピアのTwelfth Night(『十二夜』)にinto stitchesというフレーズが使われているのが起源と言われています。
I loved the play. I was in stitches all night.
(その劇は本当におもしろかった。ひと晩中、笑いが止まらなかったよ)
例えば、自分がコンプレックスを抱いていることをジョークのネタにされて、「それはないんじゃない?!」と感じたとします。あなたなら、どんな言葉を返しますか? お勧めはこのフレーズ。
Very funny. (そこまで言うんだ)
ハッキリと落ち着いた口調で言いましょう。相手は、まずかったと気づいて黙ると思います。こうした場面でのVery funny.は映画などにもよく登場します。
相手が冗談で言ったことに対して「それはジョークにすべきことじゃないよ」と言いたいときには、このひと言です。
(That’s) not funny. (それって笑えないんだけど)
こういった状況の場合には、funnyを使った言い方がしっくりくるのですね。

リサ・ヴォート
アメリカ・ワシントン州出身。メリーランド州立大学で日本研究準学士、経営学学士を、テンプル大学大学院で TESOL(英語教育学)修士を取得。専門は英語教育、応用言語学。2007年度 NHKラジオ「ものしり英語塾」で講師を務める。現在、青山学院大学非常勤講師。また、写真家としても活躍している。『知ってる英単語で広がる英会話』『CD BOOK ネイティブ感覚で もっと伝わる日常英語』(ともにNHK出版)など著書多数。
※記事公開時点での情報です
■NHKテキスト ラジオビジネス英語 2023年12月号より