
「ぽっこりお腹」と聞くとドキッとされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。コロナ禍などで運動不足気味になりがちな昨今。5秒からできる、さまざまな簡単エクササイズで、「すっきりお腹」を目指してみましょう!
ぽっこりお腹は、 どうして起こる?
お腹の“ さぼり筋” が原因です
最近は、さまざまなネットサービスが浸透したことなどもあり、自宅で過ごす時間が増えてきました。確かに便利ですが、外出することが減って運動不足になり、気づいたらお腹回りがきついという人も多いのでは?
お腹が出てしまう原因は、主に2つあります。1つは、食事による摂取エネルギーが、活動によって消費するエネルギーを上回ってしまったこと。巣ごもり生活などで運動量が減っているのに、食事量はそのまま、あるいは増えてしまったりしていませんか。お腹は、食べすぎにより真っ先に脂肪がつきやすい部位なのです。
もう1つ重要なのは、体を動かす機会が減った影響で、お腹の筋肉が“さぼり筋”になってしまったことです。筋肉は使わないとさぼってしまう性質があり、日常的に刺激を入れないとゆるんでしまいます。お腹の筋肉がゆるむと引き締める筋力が弱くなり、姿勢が悪くなったり、内臓の位置が下がったりします。すると、お腹がぽっこりと出やすくなってしまうのです。


“さぼり筋”を目覚めさせ、 見違えるようなお腹に!
まずはプラグを入れて 働きやすい筋肉にしよう
ぽっこりお腹を解消するためのポイントは、お腹のさぼり筋を目覚めさせること。さぼり筋は例えるなら、脳と筋肉をつなぐプラグが一部抜けている状態です。この状態の筋肉は脳からの指令が届きにくく、筋肉がゆるんで働きが悪くなっています。そこでまず取り組みたいのが、お腹の筋肉を刺激して、抜けているプラグをさぼり筋のコンセントに入れること。お腹向けのエクササイズを毎日続ければ、お腹の“さぼり筋”を“働き筋”に切り替えることができます。
エクササイズによって筋肉が働くようになると、お腹が引き締まっていくのを感じるはずです。さらにエクササイズを続ければ、筋肉量が増えて基礎代謝量が上がり、脂肪が燃えやすくなります。結果を急がず、毎日続けて、理想のお腹を目指しましょう!

さぁ、1 日1 回の簡単エクササイズで
“すっきりお腹” を 目指しましょう
ぽっこりお腹 解消エクササイズ3か条
- 1
お腹に力を入れよう
紹介するエクササイズは、大きく呼吸して、お腹にグッと力を入れた状態で行うのがポイント。お腹を意識しながら体を動かすことで、運動効果を高めます。 - 2
筋肉をイメージしよう
使う筋肉を思い浮かべ、その筋肉がどう動くかをイメージしながら体を動かしましょう。ポーズをとることではなく、どこに力を入れているかが重要です。 - 3
毎日続けよう
お腹回りの筋肉は、使わないとすぐにさぼってしまいます。だから、エクササイズは少しでもいいので、毎日行うことが大切です。
まず、「お腹に力を入れる感覚」をマスター! 5 秒腹筋
ぽっこりお腹にもっとも関係しているのが、コルセットのようにお腹を締める役割をしている「腹横筋」。この筋肉に力を入れる感覚を身につけるため、「5秒腹筋」を行います。
① 息を大きく吸う
まっすぐに立ち、両手を握って小指を首のつけ根に当て、両ひじを耳より高く上げる。片方の足を1歩前に出してかかとを浮かせ、息を大きく吸ってお腹をへこませる。

1歩前に出すと、お腹に力が入りやすくなる。
② お腹に力を入れて5秒間キープ
息を大きく吐きながら、少し体を沈めるようにしてお腹に力を入れる。息を吐き切ったら、その状態で5秒間キープする。息を大きく吸いながら、①に戻る。この動きを10回行い、足の左右を替えて同様に行う。

POINT
イメージの力を利用しよう
お腹を折り曲げるのではなく、お腹の筋肉を縦につぶすように行うのがポイント。空き缶を縦につぶすようなイメージを持つと、お腹に力を入れる感覚をつかみやすくなります。
横向きで攻める! 横アザラシ
横向きに寝て、上体を持ち上げます。そのときに使うのが、くびれをつくるのに欠かせない「腹斜筋」。この筋肉をしっかり意識し、ぷよぷよの脇腹とサヨナラしましょう。
① 横向きになる
横向きに寝て、両ひざは軽く曲げる。下側のひじを曲げて床につけ、上側の手は耳の横に当てる。息を大きく吸う。

② 上体を持ち上げる
息を大きく吐きながら、下側のひじで床を押し、上体を持ち上げる。息を大きく吸いながら、①に戻る。この動きを10回行い、左右を替えて同様に行う。

◎回数は目安です。体力や体調に合わせて無理のないように行ってください。
簡単エクササイズですっきりお腹を目指しましょう!

松井 薫 (まつい・かおる)
パーソナルトレーナー、プロスポーツトレーナー。柔道整復師(国家資格)。国士舘大学特別研究員。幼少期に行った激しいスポーツの影響で腰を痛めたことから、正しい運動法や減量法とエビデンスをもとにした指導を大切にしている。現在は東京でパーソナルトレーニングジムを主宰。各界著名人のトレーナーほか、テレビ出演やゲームソフトのトレーニング監修など、幅広く活躍中。著書多数。
ムックではこのように学べます
綴じ込み付録もついています
巻末には、やる気が続く運動記録表3か月分と運動時に便利な体操早見表が付いています。
2022年5月27日発売!
■「NHKまる得マガジンMOOK 5秒からのエクササイズ! ぽっこりお腹を狙い撃ち」より
■イラスト/前田はんきち 撮影/神ノ川智早 モデル/東 美樹