煮てよし、かけてよし、つけてよし。村田吉弘さんの万能調味料で和食上手に! 村田吉弘さん はじめに 和食の味の要は“うまみ”。そして、これからは“酸味”の時代。その両方を併せもつのが「うまみ酢」なんや。

料理をつくり続けて、早数十年。時の流れとともに、世の中の食事のあり方や、料理の嗜好もどんどん変わっていくのを感じます。とりわけ実感するのは、“酸味”の台頭です。古くから、西洋に比べると日本人は強い酸味が苦手で、酢を使うときでもうすめて使うのが基本でした。和食においても、酸っぱい料理は少なく、昔ながらの甘辛い料理が好まれていました。
鶏もも肉のうまみ酢照り焼き・筑前煮 ところが近年は、マリネなどの西洋の料理がずいぶん増え、女性を中心に酢が一大ブームに。ちょうど私自身、和食のうまみばかりを追求することに飽きはじめていたころで、「試しに酸味を足してみたらどうやろ」と、いつもの合わせ調味料に酢を入れてみたら、これがうまいことハマりました。
酢が、和食の強いうまみを引き立たせつつ、さっぱりと後味よく仕上げてくれるのです。こうして「うまみ酢」が生まれました。
新たまねぎとセロリのマリネ・にんじんのうまみ酢煮 「うまみ酢」をつくってみて思うのは、「うまみ酢」はいろいろな食材と相性がええなということです。肉でも魚でも野菜でも、どんな食材にもうまみはあるもんですが、「うまみ酢」は、そうした種々のうまみをちゃあんと見つけて、引き出してくれます。だから、合わせる食材も選ばんし、どんな調理法でも使いやすい。世の中には市販の合わせ調味料もたくさんありますが、「うまみ酢」ほど幅広く使える万能調味料はないんやないかと思います。 鶏肉とかぶの炒め煮・豚バラ大根 今は大変な時代ですから、忙しいのに家での食事は増えて、頭を悩ませている方も多いでしょう。ただ、どんなに慌ただしい日々の中でも、ごはんはちゃんと食べなあきません。世の中に手軽でおいしいもんが求められてるなぁと思うからこそ、今「うまみ酢」をつくってほしいと思います。そして、「うまみ酢」がほんのちょっとでも、毎日のおいしいごはんの助けになればええなと願っています。 春キャベツと豚バラのしゃぶしゃぶ 『NHKきょうの料理 村田吉弘の「うまみ酢」でかんたん和おかず』目次 ・Part1 村田はんが選ぶ! 「うまみ酢」で定番おかずベスト10
筑前煮、豚バラ大根 など
・Part2 「うまみ酢」だけのメインおかず
きのこと鶏もも肉の南蛮漬け、鶏肉とかぶの炒め煮 など
・Part3 「うまみ酢」だけの副菜
新たまねぎとセロリのマリネ、にんじんのうまみ酢煮 など
・Part4 「うまみ酢+α」のメインおかず
鶏もも肉のうまみ酢照り焼き、きゅうりとささ身の炒め物 など
・Part5 「うまみ酢+α」の副菜
春キャベツと春雨のうまみ酢あえ、かぶのうまみ酢サラダ など
・村田はんの酢のおはなし
・もっと!「うまみ酢」活用術 ほか
京都の老舗料亭「菊乃井」(12年連続でミシュラン3つ星を獲得)の3代目主人。立命館大学卒業後、名古屋の料亭で修業を積み、「菊乃井 露庵」、「赤坂 菊乃井」、「無碍山房」を開業。NHK「きょうの料理」などに多数出演し、家庭でつくりやすい和食を広めている。NPO法人「日本料理アカデミー」理事長でもあり、日本料理の国際化を牽引する存在。
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