皆さんの「一番効果があったな」と感じている英語の勉強法はなんでしょうか。今回は、コミュニケーション重視の英語教育指導を長年にわたり行われてきた、2022年度「中学生の基礎英語 レベル2」の講師でもある中野達也先生に、効果の高い英語の勉強法を教えてもらいました。

©Shutterstock  かつて海外留学していた生徒が私に送ってくれたメールをご紹介します。

 「中学の時の英語の勉強で一番効果があったのは、暗写だと思います。文の形を例文で覚えているので、単語を入れ替えて自分で文を作るのも楽になりました。例文に形容詞、副詞を足したり、関係代名詞で文をつなげたりすれば複雑な文も作れるし、一文覚えておくと活用の幅が広がると思います。また、音読を繰り返ししていたので、リズム的に文がしっくりこないなとか、間違いを感覚的に見つけられるようになりました。私にとっては、音読と暗写の組み合わせは本当に効果的だったと改めて思います。」

 「暗写」というのは、教科書の英文を何度も音読し、覚え、最後に日本語訳だけを見ながらその英文を書く活動です。みなさんが一人で勉強する時にも活用できます。今回は、暗写だけでなく、これまでの経験の中で効果があったと思う英語の勉強法をご紹介します。
1. たくさん聞いて、たくさん読もう  英語は外国語ですから、初めから自然に英語が話せるということはありません。まずは、知っている単語や表現を増やさないといけません。そのためには、たくさん聞いて、たくさん読むことが必要です。

 そこで一番身近な教材となるのが学校で使っている教科書です。今はQRを読み取ることで、音声も簡単に手に入ります。モデルとなる音声を聞いて、何度も繰り返し音読します。単語やフレーズの発音はもちろん、イントネーションや強弱、テンポなどを、音声を完全にコピーするつもりで音読してください。文法や英文の構造を意識しながら音読することも大切です。「a lot ofでひとまとまりなんだ」とか、「この動詞の後には...ing形が来るのか」などということです。英文を見て覚えてから顔を上げて言ってみる「リード&ルックアップ」や、文字を見ずに、聞こえてくる英文のすぐあとから追いかけるように読む「シャドーイング」などの音読方法も効果的です。
2. 英文を覚えよう  使える単語や表現を増やそうと思ったら、やはり覚えることは欠かせません。何度も音読した英文は、すでになんとなく頭には入っているはずです。そのなんとなくの記憶を100%にするためにはあと少し工夫が必要です。

 例えば、日本語を見てそれを英語にしていくという、通訳のようなやり方も効果的です。それを実際に書き取ってみるのが、先ほどご紹介した「暗写」という方法になります。書き終わったらすぐに答え合わせをせずに見直すことをおすすめします。その際、「He の後だから動詞にはsをつけなきゃ」とか「enjoyの次だから...ingが来るんだった」などを思い出しながらやってみます。こうすることで、文法的なルールも身に付けることができます。
3. 使ってみよう  さあ仕上げです。実際に使ってみましょう。中学や高校で教えていた時も、「暗写」で終わりではなく、その後使ってみることがゴールでした。

 例えば“I went to Okinawa to see my grandparents during summer vacation. I went there with my brother. I had a good time.”という英文を覚えたとしましょう。これを使って、自分のことに置き換えて日記に書いてみるのです。 “I went to Nagano to see my cousins during winter vacation. I went there with my family. I had a great time.”このように、太字部分を入れ替えただけで自分のことを表現できました。

 もちろん、覚えた英語をALTの先生と話すときに使ってみるのもいいですよ。実際に覚えた表現は使ってみることで自分の英語として定着します。使ってみることで、教科書の中の英文に過ぎなかったものが、あなた自身の英語となって、生きた英語へと変わっていくはずです。

ここでご紹介した取り組みを行えば、より効果的に英語を身につけることができるはずです。皆さんもぜひ挑戦してみてください。
テキストではこのように学びます 中野達也(なかの・たつや)
駒沢女子大学教授。上智大学博士後期課程満期退学。「公立中学、高校、中高一貫校の教諭を経て、2016年より現職。速読・多読に関する論文を多数発表。「速読力向上を目指した指導~音韻処理を自動化するための方策~」で第48回ELEC賞を受賞。

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